【Python×Excel操作】Excelへのデータの書き込み方法

この記事のレベル

難易度	2.5
実用性	4.5
学習コスト	2.0

はじめに

PythonでExcelファイルを操作できるようになると、日々のルーチン業務を自動化したり、作業時間を大幅に短縮したりすることができます。

たとえば、以下のような業務フローがPythonコードで簡単に実現できます。

1. 売上管理表（Excelファイル）を読み込み
2. 特定の店舗（例：東京店）のデータを抽出
3. 抽出結果に合計行やコメントなどを書き込み
4. 日付付きファイル名で新しいExcelファイルを出力

今回は、実際に「東京店の売上データを抽出・加工してレポートを自動作成する」例を交えながら、PythonでExcelファイルを操作する方法を4つの記事に分けて説明します。

本記事ではこの中から、Leeson 3 「Excelへのデータの書き込み方法」について詳しく紹介します。

Lesson No	学べる事	記事URL
1	Excelファイルの読み込み方法	https://takata.website/python-excel-read/
2	条件を満たすデータの抽出方法	https://takata.website/python-excel-filter/
3	Excelへのデータの書き込み方法	https://takata.website/python-excel-write/
4	加工済みデータのExcelファイル出力方法	https://takata.website/python-excel-export/

まずは全体のコードを確認しよう

まずは、Lesson1~４で学ぶコードの全体像を把握しましょう。以下のコードによりExcelの読み込みから加工、保存までを一気に自動化することができます。

とはいえ、はじめて見ると「何をやっているのかよくわからない…」と感じる方もいると思います。

次の章でExcelへのデータの書き込み方法について詳しく紹介していきますのでご安心を！

import openpyxl
from openpyxl import Workbook
from datetime import date

# ----------------------------------------
# Lesson 1：Excelファイルの読み込み
# ----------------------------------------
wb = openpyxl.load_workbook("zenkoku_sales_data.xlsx")
ws = wb.active

# ----------------------------------------
# Lesson 2：条件を満たすデータの抽出
# （ヘッダー行：3行目、データ：4行目～）
# ----------------------------------------
header = [cell.value for cell in ws[3]]  # 3行目のヘッダー取得
filtered_rows = []

for row in ws.iter_rows(min_row=4, values_only=True):  # データは4行目以降
    if row[1] == "東京店":  # B列（店舗名）が「東京店」
        filtered_rows.append(list(row))  # 値をリスト形式で保存

# ----------------------------------------
# Lesson 3：データの整形とシートへの書き込み
# （備考列、合計行の追加／Excelシートへ書き込み）
# ----------------------------------------
# 備考列の追加
header.append("備考")
for row in filtered_rows:
    row.append("")  # 備考欄は空欄

# 合計計算
total_quantity = sum(row[3] for row in filtered_rows)  # D列：売上数量
total_amount = sum(row[4] for row in filtered_rows)    # E列：売上金額

# 合計行の追加
filtered_rows.append(["", "東京店", "合計", total_quantity, total_amount, "自動集計行"])

# 新しいブックとシート作成
new_wb = Workbook()
new_ws = new_wb.active
new_ws.title = "東京店レポート"

# ヘッダー行の書き込み
new_ws.append(header)

# データ行の書き込み
for row in filtered_rows:
    new_ws.append(row)

# ----------------------------------------
# Lesson 4：Excelファイルの出力（保存処理）
# ----------------------------------------
today = date.today().strftime("%Y%m%d")
store_name = "東京店"
filename = f"{today}_{store_name}_sales_data.xlsx"

new_wb.save(filename)

print(f"レポートを保存しました: {filename}")

Excelへのデータの書き込み方法

Lesson2では、「東京店」のデータだけを抽出し filtered_rows に格納しました。

Lesson 3では、この抽出結果をレポートとして使えるように整形し、新しいExcelシートに書き込む処理を行います。具体的には、以下の3つの処理を実装します。

• 備考列の追加（ヘッダーと各行の末尾に空欄を追加）
• 合計行の追加（売上数量・売上金額の合計を最後の行に追加）
• 新しいExcelシートへの書き込み（整形後のデータを1行ずつ書き込み）

Excelへデータを書き込む基本コード

# 備考列の追加
header.append("備考")
for row in filtered_rows:
    row.append("")  # 備考欄は空欄

# 合計計算
total_quantity = sum(row[3] for row in filtered_rows)  # D列：売上数量
total_amount = sum(row[4] for row in filtered_rows)    # E列：売上金額

# 合計行の追加
filtered_rows.append(["", "東京店", "合計", total_quantity, total_amount, "自動集計行"])

# 新しいブックとシート作成
new_wb = Workbook()
new_ws = new_wb.active
new_ws.title = "東京店レポート"

# ヘッダー行の書き込み
new_ws.append(header)

# データ行の書き込み
for row in filtered_rows:
    new_ws.append(row)

備考列の追加

# 備考列の追加
header.append("備考")
for row in filtered_rows:
    row.append("")  # 備考欄は空欄

このコードは、「備考」という列をヘッダーと各データ行に追加する処理です。

• header.append("備考") は、Excelのヘッダー行に新しい列「備考」を追加している処理です。
• for row in filtered_rows: row.append("") は、抽出済みデータ（filtered_rows）の各行の末尾に空の値（""）を追加しています。こうすることで、「列の数」と「各行の値の数」が一致し、後続のExcel出力時に不整合が起きません。

合計行の追加

# 合計計算
total_quantity = sum(row[3] for row in filtered_rows)  # D列：売上数量
total_amount = sum(row[4] for row in filtered_rows)    # E列：売上金額
# 合計行の追加
filtered_rows.append(["", "東京店", "合計", total_quantity, total_amount, "自動集計行"])

このコードは、「東京店」の売上データを集計し、最終行に「合計行」を追加する処理です。

• total_quantity = sum(row[3] for row in filtered_rows) は、各行の「売上数量（4列目＝index 3）」を取り出し、合計しています。
• total_amount = sum(row[4] for row in filtered_rows) は、各行の「売上金額（5列目＝index 4）」を合計しています。
• filtered_rows.append(…) は、上で計算した数量・金額の合計を1行として filtered_rows の末尾に追加しています。

新しいExcelシートへの書き込み

# 新しいブックとシート作成
new_wb = Workbook()
new_ws = new_wb.active
new_ws.title = "東京店レポート"

# ヘッダー行の書き込み
new_ws.append(header)

# データ行の書き込み
for row in filtered_rows:
    new_ws.append(row)

こちらのコードは、整形・集計済みのデータを新しいExcelシートに書き込む処理です。

• new_wb = Workbook() は、これで新規の .xlsx ファイルの「枠」が作られます。
• new_ws = new_wb.active は、new_wsという変数に「操作対象のシート」を代入しています。
• new_ws.title = "東京店レポート" は、シート名を変更しています。
• new_ws.append(header) は、ヘッダー（列名）をExcelシートの1行目に書き込んでいます。
• for row in filtered_rows: new_ws.append(row) は、filtered_rows に格納されている売上データと合計行を、1行ずつExcelに書き込んでいる処理です。

まとめ

今回は、Pythonと openpyxl を使って、Excelファイルへデータを書き込む方法を解説しました。

次の Lesson4では、今回抽出したデータに対して、

• ファイル名に日付と店舗名を付ける
• 実際の .xlsx ファイルとして保存する

といった、Excelファイルの出力を行っていきます。

Lesson No	学べる事	記事URL
1	Excelファイルの読み込み方法	https://takata.website/python-excel-read/
2	条件を満たすデータの抽出方法	https://takata.website/python-excel-filter/
3	Excelへのデータの書き込み方法	https://takata.website/python-excel-write/
4	加工済みデータのExcelファイル出力方法	https://takata.website/python-excel-export/

さらに学びたい方へ

「ワンランク上のビジネススキルを身につけたい」

そんな方に注目されているのが、オンライン学習サービスです。

中でも特におすすめなのが、人気の2大サービスSchoo(スクー) とUdemy(ユーデミー) 。

特徴や違いを比較しながら、あなたに合った選び方をわかりやすく解説します。

SchooとUdemyの特徴は？

項目	Schoo(スクー)	Udemy(ユーデミー)
学習スタイル	ライブ配信 オンデマンド動画	オンデマンド動画
対象ジャンル	あらゆるジャンル	あらゆるジャンル
料金体系	月額980円　※無料授業あり	講座ごとの買い切り（セール時は1,200円前後~）
言語	日本語のみ	多言語対応（65言語以上）
向いている人	IT/ビジネススキルなど幅広く学びたい方 長期的に学びたい方	特定のスキルを深く学びたい方 短期集中で学びたい方
おすすめ度	5.0	4.5

あなたに向いているのはSchoo？Udemy？