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openpyxl
を使って、Excelのデータ行を1行ずつ取得する方法ws.iter_rows()
の基本的な使い方とオプション(min_row
、values_only
)の意味

この記事はこんな人におすすめ!
- PythonでExcelの特定データだけを取り出したい人
openpyxl
の基本的な使い方から一歩進んだ活用方法を知りたい人
はじめに
PythonでExcelファイルを操作できるようになると、日々のルーチン業務を自動化したり、作業時間を大幅に短縮したりすることができます。
たとえば、以下のような業務フローがPythonコードで簡単に実現できます。
- 売上管理表(Excelファイル)を読み込み
- 特定の店舗(例:東京店)のデータを抽出
- 抽出結果に合計行やコメントなどを書き込み
- 日付付きファイル名で新しいExcelファイルを出力

今回は、実際に「東京店の売上データを抽出・加工してレポートを自動作成する」例を交えながら、PythonでExcelファイルを操作する方法を4つの記事に分けて説明します。
本記事ではこの中から、Leeson 2 「条件を満たすデータの抽出方法」について詳しく紹介します。
Lesson No | 学べる事 | 記事URL |
1 | Excelファイルの読み込み方法 | https://takata.website/python-excel-read/ |
2 | 条件を満たすデータの抽出方法 | https://takata.website/python-excel-filter/ |
3 | Excelへのデータの書き込み方法 | https://takata.website/python-excel-write/ |
4 | 加工済みデータのExcelファイル出力方法 | https://takata.website/python-excel-export/ |
まずは全体のコードを確認しよう
まずは、Lesson1~4で学ぶコードの全体像を把握しましょう。以下のコードによりExcelの読み込みから加工、保存までを一気に自動化することができます。
とはいえ、はじめて見ると「何をやっているのかよくわからない…」と感じる方もいると思います。
次の章で条件を満たすデータの抽出方法について詳しく紹介していきますのでご安心を!
import openpyxl
from openpyxl import Workbook
from datetime import date
# ----------------------------------------
# Lesson 1:Excelファイルの読み込み
# ----------------------------------------
wb = openpyxl.load_workbook("zenkoku_sales_data.xlsx")
ws = wb.active
# ----------------------------------------
# Lesson 2:条件を満たすデータの抽出
# (ヘッダー行:3行目、データ:4行目~)
# ----------------------------------------
header = [cell.value for cell in ws[3]] # 3行目のヘッダー取得
filtered_rows = []
for row in ws.iter_rows(min_row=4, values_only=True): # データは4行目以降
if row[1] == "東京店": # B列(店舗名)が「東京店」
filtered_rows.append(list(row)) # 値をリスト形式で保存
# ----------------------------------------
# Lesson 3:データの整形とシートへの書き込み
# (備考列、合計行の追加/Excelシートへ書き込み)
# ----------------------------------------
# 備考列の追加
header.append("備考")
for row in filtered_rows:
row.append("") # 備考欄は空欄
# 合計計算
total_quantity = sum(row[3] for row in filtered_rows) # D列:売上数量
total_amount = sum(row[4] for row in filtered_rows) # E列:売上金額
# 合計行の追加
filtered_rows.append(["", "東京店", "合計", total_quantity, total_amount, "自動集計行"])
# 新しいブックとシート作成
new_wb = Workbook()
new_ws = new_wb.active
new_ws.title = "東京店レポート"
# ヘッダー行の書き込み
new_ws.append(header)
# データ行の書き込み
for row in filtered_rows:
new_ws.append(row)
# ----------------------------------------
# Lesson 4:Excelファイルの出力(保存処理)
# ----------------------------------------
today = date.today().strftime("%Y%m%d")
store_name = "東京店"
filename = f"{today}_{store_name}_sales_data.xlsx"
new_wb.save(filename)
print(f"レポートを保存しました: {filename}")
条件を満たすデータの抽出方法
Lesson2でやりたいこと
Lesson1で読み込んだExcelファイルには、全国すべての店舗の売上データが記録されています。
Lesson2では、この中から「東京店」のデータだけを抽出する処理を行います。
条件を満たすデータを抽出する基本コード
# ② ヘッダー(3行目)を取得
header = [cell.value for cell in ws[3]]
# 条件を満たす行(東京店)を格納するリスト
filtered_rows = []
# データ行(4行目以降)を1行ずつ読み込む
for row in ws.iter_rows(min_row=4, values_only=True):
if row[1] == "東京店":
filtered_rows.append(list(row))
各コードの解説
① ヘッダー行の取得
header = [cell.value for cell in ws[3]]
- Excelの3行目にあるセルの値をすべて取得して、
header
というリストにまとめている処理です。 ws[3]
は「3行目=ヘッダー行」を意味します。openpyxl
では、ws[3]
のようにインデックスでアクセスすることで、その行のすべてのセルが取得されます。
② 条件に合う行の抽出
for row in ws.iter_rows(min_row=4, values_only=True):
if row[1] == "東京店":
filtered_rows.append(list(row))
- Excelシートの4行目以降を1行ずつ読み取り、「店舗名」が”東京店”である行だけを抽出して
filtered_rows
に追加する処理です。 for row in ws.iter_rows(min_row=4, values_only=True)
は 、Excelシート(ws
)の4行目以降の行を1行ずつ取り出して処理するためのループです。
まとめ
今回は、Pythonと openpyxl を使って、Excelファイルから特定の条件(例:店舗名が「東京店」)に一致するデータだけを抽出する方法を解説しました。
ws.iter_rows()
を使えば、Excelの行を1行ずつ取り出して処理できるmin_row=4
のように指定することで、必要な行のデータを対象にできるif row[1] == "東京店"
のように条件を指定すれば、必要な行だけ抽出できる
次の Lesson 3 では、今回抽出したデータに対して、
- 「合計行」を追加する
- 「備考」などの列を追加して整形する
といった、Excelへのデータの書き込みを行っていきます。
Lesson No | 学べる事 | 記事URL |
1 | Excelファイルの読み込み方法 | https://takata.website/python-excel-read/ |
2 | 条件を満たすデータの抽出方法 | https://takata.website/python-excel-filter/ |
3 | Excelへのデータの書き込み方法 | https://takata.website/python-excel-write/ |
4 | 加工済みデータのExcelファイル出力方法 | https://takata.website/python-excel-export/ |
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