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はじめに
生成AIを業務に活用する中で、
「指示はしたけど、うまく意図が伝わらない…」
「複雑なタスクを頼んだら、回答がズレてしまった…」
そんな経験はありませんか?
その原因の一つが「プロンプト設計の難しさ」です。
そこで今回は、精度の高い回答を得るためのテクニックとして注目されている、Prompt chaining(プロンプトチェーン)を紹介します。
この記事でわかること
- Prompt chaining(プロンプトチェーン)とは何か
- Prompt chainingを活用した具体例

takata
この記事はこんな人におすすめ!
- 生成AI(ChatGPTなど)を仕事で活用したいIT職の中級者
- プロンプトを工夫して、出力の質を上げたいシステムエンジニア
- 「一発でうまくいかない」と感じているChatGPTユーザー
Prompt chaining(プロンプトチェーン)とは?
Prompt chaining(プロンプトチェーン)とは、複雑なプロンプトをいくつかの小さなプロンプトに分割し、段階的に処理を行う手法で、「プロンプトチェーン」「プロンプトチェーニング」などとも呼ばれています。
たとえば、「文章を読んでタスクを整理し、優先順位をつける」という作業を以下のように分割します。
- 文章を要約する
- 要約からタスクを抽出する
- タスクに優先順位をつける
このように処理を分けることで、それぞれのステップにおいて生成AIからの回答精度を引き上げることができます。

Prompt chainingを使うメリットは?
1つのプロンプトに複雑な指示を詰め込むと、生成AIの出力は不安定になりがちです。
Prompt chainingでは、プロセスを分割することで以下の利点が得られます。
利点 | 詳細 |
精度向上 | 一つひとつの処理が明確になるため、誤解や曖昧さを減らせる |
柔軟性 | 各ステップのプロンプトを調整することでカスタマイズ可能 |
再利用性 | 一度作ったプロンプトを他の文脈でも活用できる |
エラー検出性 | どこで誤りが起きたのか把握しやすい |
ChatGPTでの活用例
メールから対応アクションを抽出する場合、以下のようにプロンプトを分けてみてください。このように分けることで、精度と納得感のある出力が得られます。
- 要約する
以下のメールを200字以内で要約してください。
(メール本文を貼る)
- タスクを抽出する
上記の要約から、営業として対応すべきアクションを3つ抽出してください。
- 優先度をつける
以下のアクションについて、緊急度と重要度の観点から「高・中・低」のいずれかで優先度をつけてください。
(アクションリスト)
実務での応用アイデア
以下は、プロンプトチェーンが活躍しそうな業務例です。
活用シーン | 活用方法 |
要件定義支援 | ユーザーヒアリング→要件抽出→ドキュメント生成までを分割処理 |
バグ報告の整理 | バグ内容を要約→再現手順抽出→影響度分類 |
ナレッジ管理 | 議事録→要点抽出→ToDoリスト作成 |
ChatGPTでPrompt chainingを使うときのコツ
- 会話履歴を活かす:ChatGPTは前の出力を前提にしたプロンプトを続けて入力できる
- 出力形式を指定する:JSON形式やリスト形式で出力させると後工程が楽になる
- ワークフロー化も可能:OpenAI APIなどを使えば、Pythonやツールで自動化も実現可能
まとめ
この記事のまとめ
- Prompt chainingとは?
- 生成AIの活用精度を高める強力な手法
- 生成AIの活用精度を高める強力な手法
- Prompt chainingはどんなシーンで使える?
- 複雑な処理や長い指示を出したいとき
- タスクを構造的に整理したいとき
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