【アジャイル】プロダクトビジョンとは？作り方から事例まで徹底解説

この記事のレベル

難易度	2.5
実用性	3.5
学習コスト	1.5

プロダクトビジョンとは？

プロダクトビジョンとは、「プロダクトを通して実現したい未来像・目的・顧客への提供価値をシンプルに言語化したもの」 です。
このビジョンにより、「どこに向かって開発するのか」を開発メンバーは意識することができます。

例えば、有名製品のビジョンには以下のようなものがあります。

• YouTube
  「誰もが自由に動画を共有し、世界中の人とつながれるプラットフォームを作る」
• Google Maps
  「世界中のあらゆる場所を誰もが理解し、移動できる世界を実現する」
• Spotify
  「すべての人が自由に音楽を楽しめる世界をつくる」

プロダクトビジョンの目的と重要性

プロダクトビジョンを掲げる目的は、

チームメンバー全員が製品のビジョン・目的・提供価値を説明できるようにすること。

つまり、「なぜこのプロダクトを作るのか？」を、誰が聞かれても同じ方向性で答えられる状態にすることです。

さらに、次のような観点でもプロダクトビジョンの重要性は高まっています。

• 方向性の統一：開発中の意思決定（機能優先度やスコープ変更）の基準になる
• 顧客価値の明確化：開発が自己目的化するのを防ぎ、顧客の課題解決に集中できる
• モチベーション向上：チーム全員が同じゴールを目指すことで士気が上がる
• 社外説明のしやすさ：経営層や顧客に対してもわかりやすく製品の価値を伝えられる

プロダクトビジョンの作り方は？

前述の通り、プロダクトビジョンは、「なぜこのプロダクトを作るのか？」という想いを形にし、チーム全員が同じ方向を向けるために作られます。

ここでは、ビジョンを作るだけでなく、チーム全体に浸透させる方法までを含めた4つの流れを紹介します。

Schooで無料講座をチェックする

Step1　作る目的とゴール（ビジョンの土台）を整理する

• 「なぜこの製品を作るのか？」を明確にする
  解決したい課題や実現したい未来を洗い出します。
• 誰のための製品かを決める
  ターゲットユーザーを具体化します。
• 提供する価値を言語化する
  「どんな良い変化をもたらすのか？」をシンプルにまとめます。

Step2　ビジョンの下書きを作る

• チーム全員でキーワードを出し合う
  「顧客」「効率化」「スピード」「安全」などの言葉を挙げてみる。
• シンプルで伝わりやすい1文にまとめる
  例：「営業担当が3クリックで顧客情報を取得し、商談に集中できる世界を実現する」

Step3　共有&フィードバックを受ける

• 開発チーム・経営層・顧客に見せて、わかりやすいかを確認
  「これを見て何を目指しているか一目で分かるか？」をチームメンバーに確認する。
• フィードバックを受けて修正する
  抽象的すぎないか、顧客視点が欠けていないかをチェック

Step4　チーム浸透させる仕組みを作る

• プロダクトビジョンをチーム全員がいつでも見られる状態にする
  Confluence、Miroなどに固定して掲示する。（下記例はConfluenceでまとめた場合のイメージです。）

【参考】プロダクトビジョンの例

顧客管理・CRM系

• 「顧客情報を1つの画面で確認でき、商談準備時間を半分にするシステムを作る」
• 「すべての顧客データを一元管理し、誰でも3クリック以内で必要情報にアクセスできる環境を実現する」

データ分析・ダッシュボード系

• 「全社データをリアルタイムで可視化し、経営層が即座に意思決定できる環境を作る」
• 「営業成績・在庫・売上を1つのダッシュボードで直感的に把握できる仕組みを作る」

顧客向けWebサービス

• 「ユーザーが24時間、スマホから簡単に見積・契約できるWebサービスを提供する」
• 「オンライン予約の手続きを最短30秒で完結できる仕組みを作る」

まとめ