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はじめに
ChatGPTを使っていて、こんな経験はありませんか?
「もう少し丁寧な文章にしてほしい…」
「意図は伝わってるけど、ちょっと違う…」
そんなときに効果を発揮するのが Few-shot Prompt です。
これは、ChatGPTに対して「こういう入力が来たときは、こう返してね」といくつかの例(ショット)を見せてから、本番の入力を渡す方法です。
この記事でわかること
- Few-shot Promptとは何か
- どんなときに使うと効果的か
- 実際の使い方(プロンプト例付き)

takata
この記事はこんな人におすすめ!
- 生成AI(ChatGPTなど)を仕事で活用したいIT職の中級者
- プロンプトを工夫して、出力の質を上げたいシステムエンジニア
- 「一発でうまくいかない」と感じているChatGPTユーザー
Few-shot Promptとは?
Few-shot Prompt(フューショット・プロンプト)は、複数の”お手本”を提示して、パターンや文脈を学ばせるプロンプト設計の手法です。
例えば、以下のように2〜3例を提示してから、実際に回答させたい質問を入力します。
Q: 営業時間を教えてください
A: 営業時間は平日9:00〜18:00です。
Q: 定休日はありますか?
A: 定休日は土日・祝日です。
Q: 商品の返品はできますか?
A:
ChatGPTは、これまでの例に倣って「A:」の続きを適切に生成します。
Few-shot Promptの使いどころは?
Few-shot Promptは、生成AIに“こうしてほしい”という意図を、具体例を通じて明示したいときに効果を発揮します。特に次のような状況で活躍します。
- 指示が抽象的で、曖昧になりやすいとき
- 出力の形式やフォーマットが重要なとき
- 一貫性のある出力が求められるとき
- 社内独自の書き方やパターンを再現したいとき
シーン | 詳細 | 有効な理由 |
フォーマットを統一 | チャットボット、社内通知文、定型依頼文など | 文体や構成を例で伝えることで、一貫性のある出力になる |
分類・仕分け | メール分類、感情分析、商品タグ付けなど | 分類基準を例で明確に伝えられるため、精度が向上する |
言い換え・要約 | やさしい言い換え、要点整理など | 曖昧な言葉(やさしく、簡潔に)を例で具体化できる |
業務テンプレ反映 | 日報、議事録、報告書フォーマットなど | 社内独自の書式を例として学習させやすい |
ChatGPTでの使い方(具体的プロンプト例)
フォーマットを統一したいとき
以下の依頼文に対して、敬語で丁寧に返信してください。
【例1】
依頼文:書類の確認をお願いします。
返信:承知しました。書類の確認を進めます。
【例2】
依頼文:会議室の予約をお願いします。
返信:かしこまりました。会議室の予約を行います。
【本番】
依頼文:顧客への連絡対応をお願いします。
返信:
分類・仕分けをしたいとき
以下のメールを、次の3つのカテゴリのいずれかに分類してください:要返信/情報共有/誤送信。
【例1】
メール:明日の打ち合わせ、14時でお願いします。
分類:要返信
【例2】
メール:資料ありがとうございました。
分類:情報共有
【本番】
メール:先ほどの案内、別の担当に送っていました。
分類:
言い換え・要約したいとき
次の文章を中学生でも理解できるように、やさしい言葉で言い換えてください。
【例1】
原文:業務の属人化を防ぐには仕組み化が重要です。
やさしい言葉:仕事が一部の人だけに集中しないように、やり方を決めておくことが大切です。
【本番】
原文:クラウド環境によりスケーラビリティが向上します。
やさしい言葉:
業務テンプレを反映させたいとき
次の形式に従って、日報を作成してください。
【例1】
【日付】2025/6/22
【担当者】山田太郎
【作業内容】顧客ヒアリング対応、資料修正
【所感】新しい要望が出たので来週中に反映予定
【本番】
【日付】2025/6/23
【担当者】佐藤花子
【作業内容】開発ミーティング、テスト設計
【所感】:
まとめ
この記事のまとめ
- Few-shot Promptとは?
- 生成AIの活用精度を高める強力な手法
- 生成AIの活用精度を高める強力な手法
- Few-shot Promptはどんなシーンで使える?
- 丁寧な文章のテンプレート化をしたいとき
- 社内文書や日報を定型フォーマットで作成したいとき
- 分類・仕分け作業を自動化したいとき
- わかりやすい表現に言い換えたいとき
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