- 要件定義フェーズで整理すべきこと
- テーブル一覧・ER図・画面遷移図の書き方

この記事はこんな人におすすめ!
- テーブル一覧・ER図・画面遷移図の書き方を知りたい人
- システム開発の要件定義を担当する人
- ITプロジェクトに関わるが、要件定義の進め方がよく分からない人
はじめに
現代のシステム開発では、スピードとコストの要求が日々高まっています。
その中で、プロジェクトを成功させるには、適切なタイミングで必要な決定を下し、成果物(資料)を確実に準備することが不可欠です。
しかし、実際のプロジェクトでは「どのタイミングで何を決めるべきか」「どんな成果物を用意すればよいのか」が曖昧なまま進められることも少なくありません。
そこで本記事では、私のこれまでの経験をもとに、現代のITプロジェクト管理において「いつ、何を決めるべきか」や「どんな成果物(資料)が必要か」を解説します。
特に今回は、「要件定義」フェーズの「データ構造と画面設計」 に焦点を当て、この段階で必要な検討事項と成果物について詳しく紹介します。

| 検討項目 | 内容 | 成果物 | 参考記事 |
| 業務変化の可視化 | 現在の業務と新しい業務を比較し、どのように変わるのかを明確にする。 | 業務フロー図 業務要件一覧 | こちら |
| 必要な機能の整理 | 新しい業務を実現するために求められる機能を整理する。 | 機能要件一覧 | こちら |
| システム要件の検討 | 機能を実装するために必要なシステムや、連携すべき外部システム・データを整理する。 | 機能配置図 IF一覧 | こちら |
| データ構造と画面設計 | データの関連性を設計し、表示・入力のための画面構成を検討する。 | テーブル一覧 ER図 画面遷移図 | 本記事 |
| 非機能要件の検討 | 性能やセキュリティなど、システムの品質要件を定義する。 | 非機能要件一覧 | こちら |
データ構造を検討しよう
データ構造の検討は、システム開発において非常に重要なステップです。 機能配置図で定義した各データが、どのように関連しているのかを明確にすることで、データの整合性を維持し、システムの拡張性を確保できます。
データの関連性を整理する際に作成すべき主な成果物として、
- テーブル一覧(データの管理単位を整理する)
- ER図(テーブル間の関係を視覚化する)
があります。
それでは、これらの書き方を具体的なサンプルを交えて解説します。
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テーブル一覧を作成しよう
テーブル一覧とは、システムで管理するデータを整理し、概要レベルでデータ構造を把握するためのドキュメントです。開発チームや関係者が、どのようなデータが必要かを把握しやすくなり、ER図を作成する前の整理としても有効です。
テーブル一覧は、以下のような項目で整理すると分かりやすくなります。

ER図を作成しよう
ER(Entity-Relationship)図は、データ間の関係を視覚的に表現する図です。システムで管理するデータがどのように結びついているかを直感的に理解しやすくなります。
ER図は、以下の3つの要素で構成されます。
- エンティティ (Entity):システム内で管理する対象(テーブルに該当)
- アトリビュート (Attribute):エンティティが持つデータ(カラムに該当)
- リレーションシップ (Relationship):エンティティ同士の関係(エンティティ間の線)

画面遷移を検討しよう
画面遷移の検討は、ユーザーがシステムをどのように操作するかを明確にするための重要なプロセスです。 システムの使いやすさや業務フローに大きく影響を与えるため、慎重に検討する必要があります。
画面遷移を検討する際には、以下の点を考慮しましょう。
- ユーザーの操作フロー(どの画面からどの画面へ遷移するか)
- 遷移の条件(どの操作がどの画面に影響を与えるか)
次に、画面遷移図を具体的に表現するための成果物として「画面遷移図」を作成します。
画面遷移図を作成しよう
画面遷移図とは、システムの各画面間の遷移を矢印で示した図です。これにより、システムの利用フローが明確になり、開発チームや関係者との認識を統一しやすくなります。
以下3つの観点を意識しながら画面遷移図を作成しましょう。
- 主要な画面をリストアップする
- 例: ログイン画面、ダッシュボード、顧客詳細画面、商談登録画面など
- 画面間の遷移を整理する
- 各画面からどの画面へ遷移するかを矢印で示す
- 遷移の条件を定義する
- 例: ログイン成功時にダッシュボードへ遷移

まとめ
- 要件定義フェーズで行うべきこと
- 業務変化の可視化:現在の業務と将来の業務を整理し、改善点を明確にする。
- 必要な機能の整理:業務を実現するために求められる機能を洗い出す。
- システム要件の検討:システム構成や外部連携の必要性を整理する。
- データ構造と画面設計:データの関係性を設計し、表示・入力のための画面構成を考える。
- 非機能要件の検討:性能、セキュリティ、運用・保守といった品質要件を定義する。
- データ構造と画面設計の検討時に作成すべきもの
- テーブル一覧:概要レベルでデータ構造を把握するためのドキュメントとして有効
- ER図:データ間の関係を視覚的に表現する図として有効
- 画面遷移図:システムの利用フローが明確する図として有効
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