【SE必見！】非機能要件定義って何をすればいい？

この記事でわかること

要件定義フェーズで整理すべきこと
非機能要件検討の進め方

takata

この記事はこんな人におすすめ！

非機能要件検討の進め方を学びたい人
システム開発の要件定義を担当する人
ITプロジェクトに関わるが、要件定義の進め方がよく分からない人

はじめに
1. 要件定義とは？
2. 要件定義の進め方は？
非機能要件とは？
1. 非機能要件が果たす役割は？
2. 機能要件と非機能要件の違いは？
非機能要件定義の進め方は？
まとめ
さらに学びたい方へ

はじめに

現代のシステム開発では、スピードとコストの要求が日々高まっています。

その中で、プロジェクトを成功させるには、適切なタイミングで必要な決定を下し、成果物（資料）を確実に準備することが不可欠です。

しかし、実際のプロジェクトでは「どのタイミングで何を決めるべきか」「どんな成果物を用意すればよいのか」が曖昧なまま進められることも少なくありません。

そこで本記事では、私のこれまでの経験をもとに、現代のITプロジェクト管理において「いつ、何を決めるべきか」や「どんな成果物（資料）が必要か」を解説します。

特に今回は、「要件定義」フェーズの「非機能要件の検討」 に焦点を当て、この段階で必要な検討事項と成果物について詳しく紹介します。

要件定義とは？

要件定義は、システム開発において「何を作るのか？」を明確にし、開発にかかるコストや期間を算出するフェーズです。

作るものが明確になれば、開発に必要な工数やリソースを正確に見積もることができ、プロジェクトの進行もスムーズになります。

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ITプロジェクトが失敗する原因の約60％は、要件定義の不備だと言われています。

それほど要件定義は、プロジェクトの成功を左右する重要なフェーズなのです！

要件定義の進め方は？

プロジェクトの成功を左右する要件定義ですが、具体的にどのように進めればよいのでしょうか？

プロジェクトの特性によって多少異なるものの、基本的には以下のステップで進めることで、抜け漏れのない要件定義が可能になります。

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ここからは、要件定義の最後のステップ 「非機能要件の検討」 の進め方を紹介します。
各検討項目について詳しく解説した記事もあるので、ぜひ参考にしてください。

検討項目	内容	成果物	参考記事
業務変化の可視化 (上記①②)	現在の業務と新しい業務を比較し、どのように変わるのかを明確にする。	業務フロー図業務要件一覧	こちら
必要な機能の整理 (上記③)	新しい業務を実現するために求められる機能を整理する。	機能要件一覧	こちら
システム要件の検討 (上記④⑤)	機能を実装するために必要なシステムや、連携すべき外部システム・データを整理する。	機能配置図 IF一覧	こちら
データ構造と画面設計 (上記⑥⑦)	データの関連性を設計し、表示・入力のための画面構成を検討する。	テーブル一覧 ER図画面遷移図	こちら
非機能要件の検討 (上記⑧)	性能やセキュリティなど、システムの品質要件を定義する。	非機能要件一覧	本記事

非機能要件とは？

非機能要件が果たす役割は？

機能要件の検討は進めやすい一方で、非機能要件の検討が後回しになりがちです。
しかし、非機能要件を曖昧なままにすると、開発後のパフォーマンスや運用に深刻な影響を及ぼすことがあります。

本章では、まず非機能要件の基本的な考え方を整理し、次章でIPAが提供する「非機能要求グレード」を活用してどのように非機能要件を定義すればよいかを解説します。

機能要件と非機能要件の違いは？

システム開発において定義すべき要件は、大きく「機能要件」と「非機能要件」に分かれます。

機能要件：システムが「何をするか」を定義するものです。
例）「ユーザーがログインできる」「データを検索できる」「帳票を出力できる」といった要件
非機能要件：機能の裏側で「どのように動作すべきか」を定義するものです。
例）「1秒以内に応答する」「24時間365日稼働」「データは暗号化して保存」といった要件

非機能要件は、ユーザーの体験や運用コストに直結する重要な要素であるため、機能要件と同等、もしくはそれ以上に丁寧に検討する必要があります。

非機能要件定義の進め方は？

ステップ1　非機能要件の洗い出し

非機能要件の定義は、まず「何を満たす必要があるか」を明確にすることから始まります。

プロジェクト関係者（ユーザー部門、セキュリティ担当、運用担当など）からヒアリング
システムの目的・利用者・想定利用状況などを整理
参考として過去プロジェクトのドキュメントを確認

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この段階では、「速く動いてほしい」「落ちないシステムにしたい」「セキュリティは万全に」など、漠然とした要求でもかまいません。あとから具体的に落とし込んでいきます。

ステップ2　非機能要件の分類と体系化

洗い出した非機能要件を、体系的に整理するために役立つのが、IPAが提供する「非機能要求グレード」です。

IPAとは？

IPA（独立行政法人情報処理推進機構）は、日本のIT分野における技術開発や人材育成を支援する政府機関です。非機能要件定義の支援ツールとして、「非機能要求グレード」や「安全なウェブサイトの作り方」などを提供しています。

非機能要求グレードの概要

IPAの非機能要求グレードでは、非機能要件を以下の6カテゴリに分類し、0～5の6段階のグレードで評価します。

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非機能用要求グレードは、IPAの公式サイトから取得できます！

カテゴリ	説明
可用性	システムの稼働率、ダウンタイムの許容範囲
性能・拡張性	レスポンス速度、同時接続数、負荷テスト
運用・保守性	ログ管理、監視、運用のしやすさ
移行性	他システムへの移行の容易さ
セキュリティ	認証・認可、データ暗号化、脆弱性対策
システム環境・エコロジー	クラウド対応、省電力設計

ステップ3　システム特性に応じたグレードの決定

次に、システムの種類や重要度に応じて、各カテゴリにどのグレードを設定すべきかを検討します。

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例えば、社内業務システムの場合だと、下記のようなイメージです！

カテゴリ	グレード	非機能要件
可用性	4	システム稼働率99.99%以上
性能・拡張性	3	通常時レスポンス順守率90%
運用・保守性	1	運用時間（通常）定時内

まとめ

この記事のまとめ

要件定義フェーズで行うべきこと
- 業務変化の可視化：現在の業務と将来の業務を整理し、改善点を明確にする。
- 必要な機能の整理：業務を実現するために求められる機能を洗い出す。
- システム要件の検討：システム構成や外部連携の必要性を整理する。
- データ構造と画面設計：データの関係性を設計し、表示・入力のための画面構成を考える。
- 非機能要件の検討：性能、セキュリティ、運用・保守といった品質要件を定義する。
非機能要件の検討時のコツ
- IPAの非機能要求グレードを活用することで、抜け漏れなく要件を定義できる
- システムの特性に応じて適切なグレードを選択し、現実的な要件を決める

さらに学びたい方へ

この記事では、ITプロジェクトの「要件定義」フェーズにおける検討事項と必要成果物を紹介しました。

他フェーズで必要な検討事項やITプロジェクトの進め方をより深く理解したい方には、Udemyの講座がおすすめです。

Udemy（ユーデミー）とは？

Udemyは、世界中で利用されているオンライン学習プラットフォームです。

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なぜUdemyがおすすめなのか？

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講座名	手を動かして学ぶITプロジェクトの資料作成！システム開発のドキュメンテーション技術と成果物テンプレート
おすすめ度	4.5
対象者	プロジェクトマネージャーとしてのスキル・知識を習得したい方エンジニアとしてのキャリアをスタートしたばかりの方
料金	21,800円
時間	3時間2分
学べること	各開発フェーズ（プロジェクト計画～運用）で必要な検討事項と資料

講座名	【入門】システム要件定義と基本設計（実践ワークで理解する上流工程の進め方）
おすすめ度	4.0
対象者	システム開発を企画するビジネス人材（プロマネ、経営企画など）上流工程を目指すITエンジニア（SE、プログラマー）
料金	15,800円
時間	4時間42分
学べること	要件定義・基本設計の具体的な手順・思考プロセス

【SE必見！】非機能要件の定義って何をすればいい？