ネガティブな感情とうまく付き合うためには
「ネガティブな感情に振り回されない」 限られた時間を有意義に過ごすためにはきわめて重要な心掛けです。
心理学者ロバート・プルチックによると、”喜び”、”不安”、”怒り”、”モヤモヤ”、”切なさ”など人間には大きく分けて52種類もの感情があるといいます。
湧き出てくる感情をコントロールするのは難しいものの、メンタルをラクにして穏やかに生きられたらどんなによいだろうか。
こんな悩みを持つ方に向けて、『まいにちメンタル危機の処方箋』(内田舞)から学ぶ「セルフケア」の方法をご紹介します。
モニタリングの4つのステップ
モニタリングとは、その感情が本当に正しいのかを客観的に見つめ直し、心の平穏を取り戻す方法です。
湧き上がる感情は時に過剰であったり、間違いであったりすることも多いです。その感情に振り回されれないための手法として「モニタリング」があります。
モニタリングは4つのステップで実践できるので、1つずつ説明していきます。
ステップ1 自分の感情に気づく
モニタリングの第一歩は、「自分の感情に気づくこと」です。
感情をキャッチするときに大切なのは、湧き上がってきた感情を否定しないことです。
恐れや怒り、焦りといったネガティブな感情の気配を感じたら、「これはモニタリングのタイミングだ!」と、立ち止まってみましょう。
ステップ2 感情を言葉にする
2つ目のステップは、「自分の中にあると気づいた感情を言葉にしていくこと」です。
ここでも、自分の感情を否定しないことが大切です。
他人の心を観察するようなイメージで、自分の感情を言語化してみましょう。
ステップ3 感情の背景を分析する
3つ目のステップは、「感情が生まれている背景を考えてみること」です。
特にネガティブな感情を抱くときは、自分の中に通じる強い意志や固定観念などが隠れていることがあります。
なぜそのような感情が沸き上がったのか?背景を考えてみましょう。
ステップ4 行動する
最後のステップは、「どう行動するのかを考えること」です。
考える際は、「私は〇〇と考えているけれど、それは本当に合っている? 根拠はある?」「今、この状況が起きていることに、ほかの理由や原因はある?」と自問自答してみましょう。
状況に応じて1つ2つ考えてみるだけでも、負の感情が収まり気持ちを立て直したりすることができます。
モニタリング力を高めるワーク
「自分の気持ちを感じ取って言葉にする習慣をつける」
「自分がどんなときにどんな感情になりやすいか傾向をつかんでおく」
モニタリングをスムーズに行うために、この二つのポイントを心がけることが重要です。
ここでは、モニタリング力を高めるための「認知のゆがみを知るワーク」を紹介します。
認知のゆがみを知るワーク
「認知のゆがみ」とは、人が持つ現実をゆがめて認識してしまう考え方のクセのことです。
ここでは、様々なタイプの「認知のゆがみ」を知り、自分がそれにとらわれていないかを知るワークを紹介します。
最初に、いま感じているネガティブな考えを理由や原因とともに書き出してみましょう。
次に、そのネガティブな感情に「認知のゆがみ」が働いてしまっていないかを考えてみましょう。
最後に、本当にネガティブな感情を抱く必要があったのか、何か対処できることはないかを考えてみましょう。
■「認知のゆがみ」の代表例
・物事を0か100という極論のみで考えてしまう「ゼロヒャク思考」
・たった1つの出来事から、すべてのケースでそうだと思い込み結論づけてしまう「過度な一般化」
・目の前の現実から根拠もなく飛躍して、悲観的な結論に結びつけてしまう「論理の飛躍」
まとめ
『まいにちメンタル危機の処方箋』(内田舞)から学ぶ「セルフケア」の方法をご紹介しました。
人間は、怒りや嫉妬、不安など、ネガティブな感情を抱いたときに、蓋をしてしまう生き物です。
感情をいったん受けとめ、「その感情の背景に何があるのか?」と自問することで自分の心を整えることができます。
本書には、紹介した内容以外にも、感情とうまく向きあうための情報が詰まっています。
あらゆる感情とうまく付き合いたいと願うあらゆる方におすすめの一冊です。
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